GG的今月のときめき新車vol.10 華やかさを内に秘める北欧の太陽

ジジならではのクルマ選びで他人に差をつけたい新車生活。 今回は、昨年度の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、いま、乗りに乗っているボルボから本命のXC40の登場です。

誰もが好きなクルマに乗れるかというと実はそういうわけでもなく、制約の中でクルマ選びをしている人も意外といらっしゃいます。 精密機器を作る会社の2代目社長のAさん(62歳)もそんなひとりです。

Aさんにどんな制約があるかといえば、今は亡き父上から「社員や取引先にネタまれるようなクルマは絶対に避けるべし」と厳しく言い含められていたのです。

 Aさんは大学を卒業した後、大手商社で修業してから30歳代前半で家業に入りました。その時に、腕にはめていたロレックス・エクスプローラーIと、屋根付き駐車場を借りるほど大事にしていたBMW320iについて、「本気で跡を継ぐ気ならすぐに売れ」とキツく命令されたのです。以来、メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ、ジャガーなど、エラそうに見える高級車や、遊び人に見えるラテン車をAさんが所有することはありませんでした。

 Aさんが何に乗ってきたかといえば、ここ最近はずっとVWのパサート。社内コンペの日にゴルフ場のクルマ寄せで部下に会っても、取引先の工場を訪問する時も、「VWです」と言えば波風は立ちません。時代が変わったので「社長は地味に振る舞うべし」という父上の哲学をガンコに守る必要はないような気もします。
でも、哲学を守ってきたおかげで会社が上手く回っているのもまた事実。ちなみに腕時計は、ロレックスをクローゼットの奥に封印し、ずうっとグランドセイコーを愛用してきました。

 3台乗り継いだパサートは、実にいいクルマでした。広くて快適、よく走る。でもAさんも60歳を過ぎ、父上の教えに反しない程度で洒落込んでみたいという気持ちも湧き上がってきました。
 そんな時にAさんの目に飛び込んできたのが、ボルボの新しいSUVです。
ボルボXC90、ボルボXC60の2台は、上品なデザインで、どちらも金曜日の日経新聞の広告見かけた翌日には奥様と試乗にでかけました。

それでも購入に至らなかったのは、やはり父上の「社長は地味に」という言葉が頭の中でリフレインしたからです。XC90もXC60も派手ではありませんが、北欧の太陽、スウェーデン出身のイングリッド・バーグマンを思わせる、内側から滲みでるような華やかさを隠しきれないのです。

「やはりパサートに乗り続けるべきか……」と考え始めたところで、ボルボXC40がデビューしました。もちろんAさんと奥様は、ボルボのディーラーに向かいました。

そこで初めて対面したXC40は、サイズがコンパクトになったぶん、佇まいが控えめになっています。しかも、デザインの美しさはXC90やXC60にひけをとりません。乗り込んでみて夫婦して驚いたのは、インテリアの質感が上級モデルと同じくらい高いレベルにあったこと。

 ディーラーのセールス担当に勧められるがままに、近所をグルッと1周してびっくり。ルックスやインテリアだけでなく、乗り心地も優雅だったからです。運転を奥様に代わり助手席に座ると、室内が静かだということに感心します。

 デザインの仕上げといい快適性といい、「コンパクト=安い」という常識が覆されていたのです。
 Aさんは、お金がないわけではありません。むしろ、十分以上に持っています。ただ、派手なもの、目立つものは避けたいので、上質でアンダーステイトメントなクルマを探していたのです。世界中の高級車を見渡してみると、控えめな高級車は意外に少ないものです。
 各国のプレミアムブランドは、「オラオラ!」とか「どないだー!? 」というセリフの吹き出しが似合うようなデザインに向かいつつあります。

そうした〝派手デザインのインフレ〞が進む中、最近のボルボは異なる方向性で上品な高級感を演出しているのです。「控えめに振る舞う」ことと「所有する喜び」を見事に両立したボルボXC40
に乗るようになってから、Aさんの生活が少し変わり、まずはクローゼットの奥からロレックスを取り出し、休日限定で着用。
次は、「あれならトラッドに見えそうだ」と、トム ブラウンのスーツを購入しようかと考え始めています。

 Aさんを見ていると、分かり易い高級品よりも、控えめでも上質なものを身に着けている人のほうが、レベルが高いことがよ〜く分かります。この領域に達するには、GG世代のように、いいモノを使い倒してきた経験が不可欠であるように思われます。

 ボルボX C40を見かけたら、オーナーに注目です。ひとかどの人物に間違いありません。

文/サトータケシ イラスト/遠山晃司
※写真はすべて本国仕様となります。

【問い合わせ】
ボルボ (ボルボお客様相談室)
☎0120-922-662

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