最新式 ジジ式!ちょい古 より グルマ ジャガー マーク2

重厚感のある 内装の魅力には あらがえません

重厚感のある 内装の魅力には あらがえません

現代のクルマではなかなか再現できないあつらえがあるのは、ちょい古の大きな魅力です。リッチなウッドパネルに収まった、シンプルでクラシックなスミスの大径メーター。後席用に備わったテーブル。どれもイギリス好きジジの琴線に触れるものばかり。走らなくても眺めているだけで満足感を得られますね。

英国クラシックのレストモッド 涼しい顔して、涼しく乗る ジャガー

以前にちょい古グルマ好きの知人と話をしていて、「ジャガー マーク2はデビッド・ボウイである」という結論に達しました。なんのこっちゃと思われるでしょうが、説明させてください。

 ご存じのとおり、ジャガー マーク2は1959年にデビューしたスポーツサルーン。50年代といえばジャガーがルマン24時間レースで5回優勝していますから、黄金時代に送り出されたモデルといってもいいでしょう。実際、マーク2はレースでもラリーでも大暴れ。名声を高めます。

 話は変わって68年のわが国ニッポン。トヨタは、コロナマークⅡという、コロナとクラウンの間に位置するサルーンを発表します。このネーミングは、もちろんジャガーに影響されたものです。

 さらに時は流れて93年の日本では、光岡ビュートがデビューして人気を博します。日産マーチをベースにクラシカルなデザインをカブせたモデルですが、誰がどう見ても元ネタがマーク2であるのは明確でした。

 なにも、トヨタや光岡がジャガーをパクッたと言いたいわけではありません。「あのクルマみたいになりたい!」と思えるほど、マーク2は輝いていたのです。
またまた話は変わりますが、布袋寅泰さんと氷室京介さんが81年に結成したバンドは、BOOWYと名付けられます。これは「BOY」と「暴威」、そしてデビッド・ボウイをかけたもの。また、84年に森重樹一さんはZIGGYというバンドを結成します。これはもちろん、デビッド・ボウイのアルバム『ジギー・スターダスト』からの引用で、メンバーのファッションもデビッド・ボウイやTレックスといったグラムロック勢を意識したものでした。

 つまりデビッド・ボウイは、布袋さんや森重さんのように素晴らしい才能を持つロックアーティストから見ても、憧れの存在だったのです。

 ということで話をまとめると、ともにイギリス生まれのジャガーマーク2とデビッド・ボウイは、日本人がまんまそのまま、ルックスやネーミングを拝借したくなるほどカッコいい存在だったわけです。だから、「ジャガー マーク2はデビッド・ボウイである」となるのです。

 残念ながらデビッド・ボウイは亡くなってしまいましたが、彼の音楽や映像はいつまでも私たちの心に残ります。ジャガー マーク2も当然ながら生産を終えていますが、大事に乗られてきた個体が残っており、われわれはそれを愛でることができるのです。

パワステもATもクーラーも付いているのにキャブ

車両スペック

車両スペック

JAGUAR MK.2 (McLaren)
1965年式 走行不明(レストア後1万6600㎞)
ダークブルー

 といった具合にジャガー マーク2を紹介するわけですが、ちょい古グルマを語るにあたって、今年の夏の暑さに触れないわけにはいきません。「気をつけろ、オーバーヒートより熱中症」というジジ川柳がありましたが、愛車の水温計を気にするあまり、自分が倒れてしまったなんてシャレにもなりません。

 日本ではこの先、6月下旬から9月下旬まではこんな感じの気候が続きそうですが、この3カ月間をどうするか。「乗らない」「涼しい朝夕だけ乗る」「軽井沢(あるいは富良野)に逃げる」などなど、いくつかの方法があるなかで、ここでオススメしたいのはレストモッドです。

 レストモッドとは「レストア」と「モディファイ」を組み合わせた造語で、最近のちょい古業界で話題となっているクルマとの付き合い方です。クラシックカーの味はしっかり残したレストアをしながら、モダナイズする装備などにはきっちり手を入れて、いまの路上で安心して楽しく乗ろうよ、というわけです。

 レストモッドに厳密なルールはありませんが、クーラーを入れる、MTをATに換装する、重ステのパワステ化、キャブをインジェクションにする、エンジンを載せ替える、さらにはエンジンをモーターにするEV化など、その内容は多岐にわたります。いずれにせよ大事なのは、紋切り型の常套句ですが、信頼できる人にお任せすることです。

 その点、ここで紹介するニュージーランドのマクラーレン・モータースポーツ社は安心です。クラシックジャガーのレストアを得意とする企業で実績は十分。英国系だけあって左ハンドルから右ハンドルへの変更もお手の物。オリジナル至上主義の方からはレストモッドについていろいろとご意見もあるでしょう。でもクルマは乗ってナンボという考え方もあります。やせガマンせずに、必要なところに手を加えたクラシックカーをさらりと乗りこなす、という選択肢は当然アリでしょう。

 ここで紹介する個体は、燃料供給はキャブレターのまま、ただしATでクーラー付き、それにパワステです。アクセルの踏み加減で音色や表情を微妙に変えるキャブレターの味を堪能しながら、涼しい顔でドライブできます。

 レストモッドとは少し話が違いますが、最近のちょい古が楽しくなった理由の1つがスマホの充実。カーナビにも困りませんし、ブルートゥースのスピーカーを置けば音楽もくっきりクリア。デビッド・ボウイをがんがんにかけながら、マーク2でぶっ飛ばせ!
[取材協力] ガレージ横山
東京都葛飾区東水元2-32-9
03-3627-6360
文/サトータケシ イラスト/遠山晃司

定期購読なら50%オフ!