新・岸田の太鼓判 VANの紺ブレ

流行は繰り返す? 半世紀ぶりVANの 紺ブレを羽織る理由

ごきげんよう、岸田です。そうです、これは「VANの紺ブレ」この紺ブレ、現在のVAN製で、殆ど当時のデザインのまま。

 御歳67歳のおっさんがいまさら言うのもなんですが、青春時代の甘酸っぱいいろいろな思い出と重なるブランドであります。中学生の頃ファッションに目覚め初めてのブランドがVANでした。約50年、なんと半世紀ぶりにこのVANの紺ブレに袖を通すことになったのか、そんなお話を……

 VANが登場する以前といえば、おしゃれさんがテーラーで背広を誂えたとしてもウエストはオーダーにも関わらず結構ブカブカ。「ズボンはバンドで締めてはくもの」といった時代。そうです今でいうサスペンダーなるズボン吊りはその名のとおりバンドなしではずり下がってしまうズボンを吊っておく為の装置だったのです。

 スラックスはヒップボーンではく! そんなことを教えてくれたのがVANでした。岸田のおっさんに限ったことではなく我が国にちゃんとしたファッション・メソッドをもたらし確立させたのがVANだったのです。

 トレンド、流行というのは残酷なもの。パツパツの股引のようなパンツをくるぶし辺りのツンツルテンな短さでイタリアオヤジを気どっていたのが昨日のこと。明日からはクラシック回帰で、パンツでいえば幅も広くブカッとしたデザインで2タックのプリーツも入るというややお腹の出っ張りも気になるエエ歳こいたジジには納得のいくトレンドとなってきたのです。ひと昔ふた昔前のブリティッシュ、アメリカン、はたまたフレンチなトラッド要素を取り入れたスタイルがおススメなのです。ファッション業界の先っぽでは既に今秋冬あたりから原点回帰なアイテムを続々と送り出しつつあるのです。

 もちろん、着るものなんてなんでもいいそんなトレンド無視して我が道を行くのも良いのです。ただトレンドには人の気持ちをワクワクさせてくれる妙薬みたいな効果があるのでしょうね。本誌でお馴染みの石田純一ちゃんが面白い引用を話してくれました。かつて三島由紀夫氏が対談か何かの発言でこんなフレーズがあったとか。
『流行を忌み嫌うものはただ時代に嫉妬しているだけ』

 ミーハーな岸田のおっさんにはなるほど名言だわと痛く刺さった次第。「俺なんて昔のアイビーの時代からボタンダウンに紺ブレよ」とおっしゃるジジもいらっしゃるでしょう。それもひとつのスタイルです。「流行は繰り返す」といいます。トレンドに翻弄、というより時代と折り合いをつけて楽しんできたからこそ、この言葉を実感できると思うのです。

 というわけでウエストも絞ってなく丈も長め段返りの三つボタン、胸もパッチポケットでフックベントなVANの紺ブレ。先祖帰りが実感できるジジだからこその最新トレンドとしてオススメであります。

(左)
コーディネートの基本は2色で抑える。紺ブレに合わせてダメージの入ったブルーのパンツにダンガリーシャツにニットタイ。
(右)
○○スタイル、××ルックととかくマニュアル好きな日本人ではありましたが、上から下まで当時のIVY スタイルではなくトラッドなアイテムをメインに着崩すのがミソ。全体をブルーにおさめながら軍モノのシェフズ・パンツにカシミアセーターにスカーフで。4万8000円
ヴァンヂャケット
03-5829-9005
www.van.co.jp

文/岸田一郎

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