ジジのこなし○と×「色使い」

年齢を重ねるごとに、似合う服装も変わってくるもの。昔と同じノリで装っていては、浮いたじじいになってしまうことは必定です。ここでは、○×の例を挙げながら、ジジのあるべき着こなし方を伝授します。
いくつになってもファッションへの意識を高く保つのは素晴らしいことです。が、何事もやり過ぎは禁物。ピッティの洒落者を真似、さらに色使いにこだわり過ぎた揚げ句、まるで孔雀のような満艦飾じじいになってしまっていませんか?

トレンドを追いかけるピッティ好きが陥りがちなのが、こんな満艦飾のじじいです。ピッティでも目立つようなド派手なアイテムばかりについつい目が行って、それらを買い揃えた果てに辿り着いたのが、こんな極彩色のピーコックスタイル。単体なら効果的なアイテムも、これだけ勢揃いしてしまうと打ち消しあって台無しな上、きらびやかすぎて、周りの人の目も疲れさせてしまうことでしょう。発情期でもあるまいし、こんな格好は自粛しましょう。

我々が考えるべきは、足し算ではなく、引き算のファッション。いかに少ない要素でお洒落に見せるかがカギ。足し算好きな満艦飾じじいが孔雀ならば、引き算できるジジが目指すべきは鶴。日本画に描かれた鶴のような枯淡で優雅な雰囲気を醸すのが正解だと思うわけであります。

ご覧ください、この渋さ。色数を抑えるだけで、こんなに枯れた味わいと貫禄が出せるんです。洋服が控えめな分、顔の表情が目立って相手に好印象を残せるはず。ジャケットはアンコンで、ほどよく余裕のあるシルエット。パンツは股上深めでプリーツ入りのものを選べば、ジジらしく肩の力の抜けた印象も醸し出せます。巾着袋でもぶら下げれば、もう俗世間とはオサラバです。

目立つ色を使わなくとも、上質な光沢と豊かなドレープ感のある服をまとっていれば、自然と人目を引くもの。オススメなのがグレーやベージュなどのペールトーン使い。枯れた味わいと柔和な印象を演出できると同時に、知性までも醸せるのです。
もちろん、シルエットもジジらしいものを。ゆったりめのトップス、股上深めでプリーツの入ったモモも太く、18〜20㎝ほどの裾へテーパードしていくパンツが◎。アクセサリーももちろん、引き算の対象です。ジジならば質実剛健な時計を一つ付けるだけでいい。だって年季の入った顔が、一番のアクセサリーなのです。
文/高須賀 哲
イラスト/遠山晃司