GG的食のこなしワザ《最終回》 ピザは自由に食しましょう

ピザにこなしワザは必要ありません!

宅配ピザが多い日本ですが、やはり本場のピザはナポリピザ。
しかし、日本ではイタリア料理店でかしこまって食べる人も多いですよね。
でもイタリアではピザはもっとカジュアルなもの。ナイフとフォークで食べても手づかみで食べても各人の自由なんです。
創刊号以来、デートにおけるレストランでの秀逸なパフォーマンスを身につけていただきたく、手を替え品を替え、いろいろやってきました当企画、今回が最終回となります。

二人っきりでレストランに赴いてくださる美女たちがジジに期待するものは、経験に裏打ちされた洗練された身のこなし。
優雅な時間を過ごしたいと希う彼女たちのリスペクトを勝ち取るべく、あくまで自然な振る舞いとしての取り分け、食べ方、後片付けまでを説いてまいりました。読者の皆様には、値踏みの厳しい熟女たちからも、良い評価をいただいてきたことと存じます。
 
そして渾身の最終回、お題はピザであります。
いまや日本の街中には、ふくらし粉でも入ってんのかと憤りたくなるような分厚いクラストが特徴のアメリカン・ピザ出前店が点在する事態。
我々の幼少期と違い、最近のガキ、いえいえ諸兄のお孫さんたち世代の子供たちにとっては肉まんと変わら
ないぐらいの日常食となっています。

一方、我々こそは日本に正統イタリアン・レストランが普及し始めた第一世代。我々がいなければ日本にイタ飯は定着しなかった、そんな自負すらあります。そんな我々だからこそ、ピザに対しては一家言ある、あってしかるべきなんであります。
さて実際にピザと向き合った際に、心に留めておいていただきたいことがあります。

もともとピザとは、日本で言えばラーメンのような、お腹を満たすための日常食。行儀がどーの、スタイルがどーのと論じるような代物ではないということ。重要なことは美味しくいただく、ということだけ。そしてそれは熱いうちがいちばん美味い、ということに尽きるのです。

だからピザが出てきたら早食いすること。そして食べたら即帰るのが粋なんです、イタリアでは。
で、それ以外のことはどーでもよろしい。ナイフとフォークがついているのは熱くて手で持てないから出されるだけで、それを使ってお行儀よく食べる必要すらないのです。

イタリア人に言わせると、日本人が自分のピザを他人と分け合って食べるのは奇妙に見えるらしいですが、むしろピッツェリアでドルチェとコーヒーまで楽しんで長っ尻を決め込むほうがイカンです。
それこそ日本でいえば蕎麦屋でだらだら酒飲んでる隠居じじいに等しい行為。コーヒーもドルチェもそれぞれの専門店に移動するのが正しいイタリアンスタイル。

「じゃ、行こうか」なんて、混み合った店内からサッと去る姿も粋じゃありませんか。ジジはこうありたいもんです。

文/鞆田聖一 写真/工藤裕之 編集協力/斎藤正美
イル・タンブレッロ
東京都中央区日本橋堀留町1丁目2番9号DIG DUG 1F #B 
☎03-6661-6628
ランチ11:30〜14:00(13:30 L.O.)
ディナー17:00〜23:00(22:00 L.O.)
日曜 ※月曜は17:00から営業。
予算:1000円〜(ランチ)
3000円〜(ディナー)
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