GG的食のこなしワザ《骨付き肉の切り分け方》

美味しいところを残して切るのが○

 美味しいものを先に食べる人は出世しない」と耳にしたことはおありでしょうか。一番の楽しみを真っ先に味わってしまう直情型の人間は、将来に渡る計画的なプランニングができずに、どこかで行き詰まる。

 一方、美味しいものを最後までとっておける人間は、自分の欲求を抑え、物事を計画的に進めることができるので出世する、というものであります。

 まぁそう言われるとそんな気もする、という程度ではありますが、出世するかどうかはともかく、急いては事をし損じるというのは真実。

 例えば、夜の最後に訪れるはずの甘美な瞬間を早く味わいたいがために、つい下ネタを放ってしまう……ジジイにありがちな失敗です。

 本人は軽いジャブを入れたつもりでしょうが、先方の期待が高ければ高いほど、露骨なアプローチは危険なもの。そんなことは痛いほどわかっているつもりなのにやらかしてしまう、そりゃ出世できないかもしれませんな。とほほ。

 で、今回の「こなし」ですが、なんとラムチョップ。

 そんなもん、ワザワザ教わらんでも……とおっしゃる方、無理もございません。ラムチョップとは、羊の肋(あばら)の肉。フランス料理としては当たり前の、家庭でも作る日常料理であります。

 が、だからといって見くびることなかれ。ここぞの晴れ舞台、例えば鮎の塩焼きとか上海ガニみたいに高級で、しかも旬のある料理であれば年に数回程度の遭遇ですみますが、今回のような一般的な料理の場合はいつ何時食べる事態になるかわかりません。

 ということは無知がバレる確率も高いのであります、おわかりか?

 ということでラムチョップですが、ポイントは2点あります。まずフィンガーボウル。そして肉の切り方であります。

 まずフィンガーボウルがある場合は手掴みでもいい、というセオリーが日本国内に蔓延(はび)こっているらしいですが、とはいえ原始人よろしくワイルドに咥えて引きちぎるってワケにはいきません。

 でなくともやってしまいがちなのが両手でチャプチャプ。子供の水遊びじゃないんですから、フィンガーボウルに入れていいのは片手だけ、がオトナです。

 そして肉の切り方ですが、「肉なんて口に入る大きさに切り刻めば宜し」などとワイルドに考えている方もいらっしゃるでしょうが、これが大間違い。肉の切り方一つでその味わいが決まってしまうことを頭に入れておくべき。

 周囲からジワジワと攻め、ついにセンターのロゼ部分を口に入れる。最後に訪れるエクスタシーの瞬間をじっと待てる、ジジはそうありたいものです。
切り分け方の基本形

切り分け方の基本形

美味しくラムチョップをいただくには、切り方が重要。真ん中のロゼ色の部分を残すように切り分けましょう。

1)まず骨に沿ってナイフを入れ、肉を切り放します。

2)骨を掴んだ指をフィンガーボウルで洗います。

3)肉はこれから左上写真の点線のように切り分けていきます。

4)ここまで切り分けたら端から食べはじめます。

5)真ん中の赤みを帯びたところが最も美味しい部分。

6)美味しい部分は2つに分けていただきます。

7)骨に付いた肉にそのままかぶりついて、ごちそうさま。

8)最後にフィンガーボウルで片方ずつ手を洗います。

フィンガーボウルは片手ずつ使うのがマナー!

フィンガーボウルは片手ずつ使うのがマナー!



文/鞆田聖一 写真/八巻典千代 編集協力/斎藤正美



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