石田純一×岸田一郎 対談 トレンドに背を向けず 楽しんだ方が 人生を謳歌できますぞ

石田●ジャケット25万5000円/スティレ ラティーノ、ニット2万2000円/グランサッソ、チーフ6500円/フマガッリ(すべてビームス ハウス 丸の内)パンツ4万円/ピーティーゼロウーノ(PT JAPAN)

岸田 今回のテーマはジジのトレンド。ちなみに今回ボクが着ているこのジャケットはヴァンヂャケットなんだよね。15歳の頃アイビーの洗礼を受けて、ファッションに目覚めて以来。その後、DCブランドとかイタものとかいろいろなトレンドがあって、たくさんのブランドを着てきたんだけど、ほぼ半世紀ぶりに原点に帰ってヴァンヂャケットに戻ってきたって感じだよ。

石田 いいジャケットだなぁって思ってたんだけど、懐かしいな。

岸田 確かにずーっと同じブランドが好きで、1つのものだけに凝り固まってる人もいるんでしょうが、時代のトレンドを満喫した方が人生楽しい。これからもね。

石田 転がり続けている方が楽しそう。ローリングストーン的な生き方だよね。1箇所にいるとコケが生えちゃうから。ヴァンヂャケットだって50年前と全く一緒ってわけじゃないでしょ。

岸田 確かに昔のままのスタイルじゃないんだよね。トレンドが原点回帰というかトラッドスタイルになっても、昔とは違うから。

石田 ファッションにしたって、考え方や思想だって昔のままだとクサくなっちゃう。ただボストニアンとかウィジュン(註:ともにアメリカの靴ブランド)とか、当時憧れていたけど手が届かなかった靴とか、今見ると懐かしくてつい欲しくなっちゃったりするけどね。

岸田●ジャケット4万6000円/ヴァンヂャケット(ヴァンヂャケット) その他岸田私物時

石田純一さん

石田純一さん

元祖トレンディー俳優である石田さんは、ファッションやクルマ、食にまで精通しています。また大のサッカー好きで、先のW 杯の決勝戦もロシアまで飛び、現地で生観戦。対談中も自身のサッカー論を熱く語ってくれました。

豪気と稚気を持った 魅力的なジジに!---石田

岸田 時代ごとに折り合いをつけて、面白がることが老けないコツだよね。無理することはないけど。ジュンちゃんの受け売りだけど、流行を忌み嫌うものは、時代に嫉妬しているだけだっていう、三島由紀夫の言葉は、ホントその通りだと思うよ。

石田 オレは若い頃からチャレンジすることが好きだったから、バギーパンツとかペッグレッグをはいたり、ホソノのブーツを履いたりしてたな。似合わないのは気づいてたんだけど。

岸田 ジジ世代はロンドンブーツを履いてた時代もあったもんね。

石田 自分の好きなことをやって、結果としてちょっと時代の先を行くぐらいの塩梅がいいんだって、歳を重ねて分かってきた。

岸田 2歩3歩先に行ったモードの先端もいいんだけど、自分本位だとオーディエンスがついてこないから。やっぱりファッションは評価も欲しいもんだしね。

石田 共感というか感応というか。ドラマに出ているときは時代や街に溶け込んだ半歩ぐらい先のファッションって感覚を意識していた。そういうことに感応できる層にササるようにって。

岸田 でもさ、この歳になると諦めちゃう人もいるからね。やっぱり面倒臭くなっちゃうのかな。

石田 でもそれは寂しいよね。感動とかを放棄しちゃうことになるよ。だから言い訳しないで、街へ出ようって思うんだよね。それだけで若返ってくると思うよ。

岸田 例を挙げると、パンツは細くて短いものがここ数年主流だったんだけど、最近ワイドなタック付きのパンツがトレンドになってきた。でも、まだ抵抗があるジジもいるんだよね。

石田 今回の表紙でもはいたけど、いい感じだったよ。ちょい先に行ってる感じがするかもだけど、要は慣れだから。

岸田 自分にはこれしか似合わないって決めつけるのは良くないから。人生もファッションも楽しんだもん勝ち。それとさ、「オレはもう十分遊んだから」とか言って、達観したかのように振る舞うのも寂しいよね。

石田 そう、死ぬまで男でいましょうよってことですよ。奥さんの顔色窺いながらだけどさ(笑)。でも「あなたにはまだまだギラギラしていてほしいわ」とか、奥さんも微妙なこと言うんだよね。目は笑ってないけど。でもね、オレは家族のことを考えて女性とも遊ぶってことは必要だと思うんだ。人生を謳歌していることが、健康やメンタルにまでもいい影響を与えると信じているから。
岸田一郎編集長

岸田一郎編集長

カジュアルロレックスからちょい不良オヤジ……、様々なトレンドを作り出してきた岸田編集長。ジジ世代のトレンドセッターとして、まだまだ老けこまず、ジジらしいトレンドを同世代の皆さまに送り続けています。

トレンドと折り合って 人生は楽しんだもの勝ち!---岸田

岸田 ファッションもクルマも食事も、自分がワクワクしつつ女性に好印象を与えるってことはジジになっても大切。時代ごとに折り合いをつけながら、新しいことにチャレンジしていきたいよね。

石田 あの頃は楽しかったなんて思い出だけだったら、過去の人になっちゃうから。時代と折り合いをつけた自分のスタイルができれば、いつも新鮮な感じが出せるんだと思うよ。桑田佳祐さんみたいな感じかな。お茶目だし、振り切れちゃってる感じはいいよね。

岸田 そう。開き直れる年代だもん。照れてちゃダメだよね。

石田 ジジ世代になるちょい前までは、まだカッコつけてて開き直れなかったから、ウケが悪かった。豪気と稚気を持ち合わせて、何事も笑い飛ばせるぐらいになりたいよね。潔く、自分らしさを出せるようになればいいんだよね。

岸田 中学生でVANの洗礼を受けた時、トレンドってなんだろうって考えたんだ。なんで去年の服を古く感じたり、自分のスタイルを貫いてもモテないんだろうって。だったらトレンドの作り手になろうと思って、気づいたらいろんな雑誌を創刊してきたんだな。

石田 オレの場合も好きなことをやっていたら、いつの間にかトレンディー俳優なんてことになっちゃったんだけど。これからも好きなことをやり続けて、時代のトップランナーの一人でいたいっていう気概を持ち続けたいな。

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