GGのあるある川柳「ちょいワルと 名の付く人生 オレのネタ」

ちょいワルが支えるジジの人生

滋賀と京都の境で生まれた山本三郎は、フラットな自分の名前がイケてないと、ずーっと思っていました。

もともと滋賀県は田中、山本、中村など、フツーすぎる苗字が多い県と言われていますし、仕方ないとは思いながらも、どーにも諦められなかった。

それはつまり地味な環境から脱出したいという気持ちの表れでもありました。

大学進学で上京してから彼の人生は大きく変化。時代はバブルまっ只中、不動産投資関連会社でバイトを始めたのが運の尽き。

毎夜の乱痴気騒ぎに駆り出されて、気がつけば自らがその中心に。

いつしか周囲からは「エディ」と呼ばれ、鈍臭い過去を振り切ったような気持ちになれるこの名を気に入っていました。

そんなですから、いろいろありましたし、やりまくりました。しまいには土地転がしに手を貸して大金を得て、ならば自分自身で手がけようとしていた時期にバブル崩壊。

あと少し遅かったら、危うく銀行に巨額の借金をさせられたところ。結果としてギリギリセーフとなったものの、今にして思えばドラマチックこの上ない半生だったと言えるでしょう。

そこにはフラットで退屈な日常など微塵も存在していなかったのですから。

そして最近になって思い知るのは、これまでの人生で身につけた様々な術が今の彼を支えているということ。

何より驚いたのは、バブル時代のスレスレなライフスタイルの話が、今どきのモデル級美女にウケるウケる。

失われた20 年世代にとっては、派手なエピソードが浦島太郎@竜宮城みたいに聞こえるらしく、現実感のなさがタマらないそうな。

ちょい不良として鳴らした経験がオレを助けてくれるなんて人間万事塞翁が馬、いつしかジジ臭い感想が多くなったことには全然気がつかない、そんな58 歳の早春なのでした。



文/鞆田聖一 イラスト/遠山晃司

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