GG川柳 「パナマ帽 ハゲじゃないのよ お洒落なの」

若い頃から繊細で柔らかな髪質だった土井慎太郎は、周囲の女子からは「女の子みたいに綺麗な髪」と評価されるも、男子たちからの、ハゲるだろうという評価には納得できずにいました。それもそのはず、肉親のどこを探してもハゲは一人もいないのですから。

それがなんと、50歳を過ぎた頃から、徐々に髪の薄さを実感させられるシチュエーションが訪れたのです。まずはシャンプー。メントール入りの爽快感が残るシャンプーを愛用していましたが、ある頃から、爽快感が一層強くなったような気が……。

実は髪が薄くなったせいで風が地肌の上を吹き抜けていくようになったのでした。他にもいろいろありましたが、問題なのは過去より未来。そう考えた時、最大の問題は日差しでした。年々強さを増す陽射し、高まる温度に危険度はうなぎのぼり。

熱射病対策無しに外を出歩くことは危機的状況を招きかねません。しかも頼りは、僅かばかりの髪の陰だけ。その髪から透けた木漏れ陽が地肌へと漏れているのだとしたら、危険領域まで体温が上昇するのもあっという間。

そこで必要とされる対策といえば、

①生活形態を夜型にする。
②日傘をさす。
③帽子をかぶる。

ジジイは早起きという生理上の都合から、①は却下。②ではババと一緒になってしまいそうで却下。そうして残ったのが③。そして帽子屋で1時間かけて選んだのがパナマ帽。麻生大臣ですら似合うのだから、これでいいと納得したのでした。

そんな消去法で選んだスタイリングですが、意外やこれがよく似合った。もちろん本人はハゲ隠しではなく、あくまでファッションとの認識だが、たとえ室内であっても帽子を取れない追い詰められた状況も生んでしまった。当然本人の心の平安は伴うはずもなく、まばらな髪の間から滴り落ちる汗をぬぐうハンカチが手放せない、61歳の夏なのでありました。
文/鞆田聖一
イラスト/遠山晃司