GGのあるある川柳「同窓会 言われて気づく 元カノジョ」

年月が彼女を六惠子に……

「男子は三日会わざれば刮目して見よ」と言います。

 砂川理之が42年ぶりの同窓会に出たのは、ほんの気まぐれ。2 週間ほど前に街で偶然に同級生に会い、その変わりっぷりに驚いたからです。

 なんせ、かつては文字通りの紅顔の美少年だった男の頭の真ん中に、広大な平地が出現。それも見事なツヤ感で。諸行無常です。

 それまで全く出席しなかったのは、高校生活に嫌な思い出があるとか、会いたくない奴がいるといったハナシではなく、たまたま時間が合わなかったり、面倒臭くなったりという程度の理由。

 積極的に遠ざけていたのではなく、何より42年という歳月の移ろいを、この目で確認したくなったのが、出席の理由です。とはいえ、気になるのは野郎どもだけではありません。高校時代に僅かな期間ですが淡い交際をしていた三惠子ちゃんのことも、当然気になります。

 スレンダーでスタイルが良くて、美人というよりコケティッシュ(死語)な魅力に溢れていた彼女、今頃はなかなかの美熟女になっているだろう……とは素直に言い切れない何かを感じたからなのです。

 そして当日、次から次に懐かしい顔ばかりに会って高揚した気分の中、視線を感じて眼をやるとそこに三惠子ちゃんがいました。

 いや三惠子どころか四惠子? 六惠子ぐらいな太めの女性が……。近づいていいのか悪いのか半信半疑という感覚で歩みを進めると、あちらも微妙な笑顔で迎えてくれました。

「オレの知っていた三惠子ちゃんって、こんな顔だったっけ……」という疑問符が頭に浮かぶものの、その声は間違いなく彼女。その仕草も見覚えのあるもの。

「変わらないね」と口にはするものの、過ぎ去った年月を考えれば、彼女を責める訳にも行くまい。

 でもね、街で会っても分からなかったかも。ごめん。と訳も分からず心の中で謝ってしまう60歳の冬でした。



文/鞆田聖一 イラスト/遠山晃司

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