GGのあるある川柳

パ ナ マ 帽  は み 出 る 白 髪  い と エ ロ し

果たしてハゲは他にもいるのでしょうか?

今から50 年前、思春期であった東川良典は、自分の体のいろいろなところから変な毛が生えてくるのに驚いていました。
おまけに声はかすれて低くなり、ヒゲもどんどん太く立派なものが生えてくるようになりました。
これぞ第二次性徴ってやつかしらんと友人の悪ガキ達とはしゃぎながらチ○毛の長さを自慢していたものでした。

「あの頃は可愛かったなぁ、我ながら」と、ひとり愚痴りながら毎朝鏡の前で頭を下げて頭頂部を上目遣いで観察する昨今。
自らのハゲを堂々と晒して残りの人生、顔を上げて生きていこうといった元気はすでに失せてしまっていました。

そう、すでに手遅れレベルまで進行していた頭頂部に対して、なにかしらの有効な方策はないかと模索を続けていた彼ですが、ヅラだけは抵抗がありました。
ヅラとは、ウソだとわかっているのに「ウソじゃない」と口だけで否定を続ける現政権の姿とまるで同じ。
男としてそんなみっともない真似はできないと、昔気質のジジは考えるのでありました。

そんなとき女房も定年退職となり自由を得たふたりは、残りの人生を思い切って遊ぶべく山手線の内側、昔からの屋敷町、文京区に引っ越します。
そして新環境に移ったのをきっかけにイメージチェンジ。
頭頂部を隠匿するため、外出時はパナマ帽を愛用するように。

そうして街を歩いていると、たちまち「お洒落なお爺ちゃんがいる」という噂がたち、さらには同類の友人もふたりできて、お洒落3ジジ生活を楽しんでいたら好事魔多し。
お洒落ジジのひとりから「今度近所の人が集まってパーティをやるので、来ませんか? 」とのお誘い。

それって家に入る=帽子を脱ぐってこと?? と躊躇していると、もうひとりが即答で快諾。
心機一転で築き上げてきた美しいイメージは来週の土曜日をもって終了だ。
としょげる一方、いや待て、ハゲはオレだけではないかもしれない ! との期待も高まる62 歳の初夏でした。

文/鞆田聖一
イラスト/遠山晃司

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GG2018年7月号より