GG的 食のこなしワザ「上海蟹を上手にバラす」

食欲の秋にさっそうと登場する上海蟹。通常お店の人がバラしてサーブしてくれますが、
それを断って、女子の前でさっそうと自分でバラすのがジジたるもの。ここでワザを習得してスマートに食しましょう!

文/鞆田聖一 写真/八巻典千代 編集協力/斎藤正美
 これまで食卓でジジに求められる「こなし」の数々をご紹介してまいこりました。ま、連載的にはまだまだ序の口ではありますが、ここらで再確認しておきたいことについて、お話ししたいと。

 ジジとして本当に必要とされている「こなし」とは何であるか。それは「旬」であります。一年二十四節気、いつ何が旬なのか=ウマイのかを把握するというのは、かなり年期のいる作業です。体験しながらとなればなおさら。

 で、「旬」といえば日本料理となりがちですが、ところがどっこい中華料理にも「旬」はあります。そのひとつが上海蟹であります。よく紐でがんじがらめにされたSM調の蟹の写真が中華料理店のメニューに載ってますね、アレです。

 その旬は夏の終わりから始まります。「9月のメス蟹、10月のオス蟹」とよく言われますが、気をつけないといけないのは、中国だけに旧暦で語られていること。メスの旬は新暦でいえば10月頃の、たっぷりタマゴを蓄えた産卵期、オスは体が大きく育ち脂がのった11月頃なので、まさにイマ。
 で、今回のこなし、蟹のある食卓は沈黙に陥ることが多いので、ひとり黙々と蟹バラシに励むぐらいなら、最初から店員に任せましょう。

まずハサミで甲羅と脚をばらばらすることから始まります。なお、手が生臭くならないよう店員に「手袋ちょうだい」(必ずある)をお忘れなく。バラし終わったら、脚からスタート。脚は関節を切り落とし、鋭角に切った余った脚で肉を押し出します。これで第一段階終了。

次は甲羅です。蟹をひっくり返して甲と白い部分との境に指を入れれば、パカッと割れます。白いエラは捨てて、中央部に肉とミソだけを集め、キレイに整えたらお相手に差し出します。この時のフィニッシュが美しいかどうかに、このこなしの成否がかかっているので慎重にお願いいたします。

 さて、いよいよ食べ始める前に、大事なポイントが。というのも、蟹は漢方では体を冷やす食べ物。当然、女性にとってはあまり良くないこと。

そこで、がっつく彼女を前に「体が温まる生姜茶か紹興酒を頼もうよ」と優しく説くのであります。体を慮ってくれる男性に好意をいだかない女性はいません。

最後に大きくポイントを獲得してこそ、我々ジジにとって完璧な「こなし」だといえましょう。
【今回の協力店】
麻布長江 香福筳
東京都港区西麻布1-13-14
☎03-3796-7835 [火〜金]11:30〜14:30(L.O) 
18:00〜22:00(L.O) [土・日・祝]12:00〜14:30(L.O) 
18:00〜22:00(L.O) 月曜(祝日の場合翌日休み)
予算:1500円〜(ランチ)、7000円〜(ディナー)
完全禁煙